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すがる様な瞳で優也を見る。
優也に、そうだと頷いてほしかった。
これはウソなんだと言って、いつもの様に笑ってほしかった。
「優也っ…!!!!」
何度も何度も名前を叫ぶ。
すると、優也はまさぐっていた手を止め俯いた。
拘束が外れ旺汰が見上げると、そこにはどこか辛そうに眉を寄せた優也がいた。
「…………よ」
「優也………?」
小さく呟く声。
聞き取れずに優也の名前を呼ぶと、優也は俯いたまま口を開いた。
「お願いだから、好きって気持ちだけでも認めてくれよ…」
「――………」
旺汰はショックで何も言うことが出来なかった。
優也がゆっくりと旺汰から離れて行く。
旺汰はベットから勢いよく起き上がると優也の背中を引き止めた。
「優也!!待てよ!!」
「……悪い、今日はもう帰るわ」
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