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「優也……」
優也の声に有無を言わせない空気を感じ取り、旺汰はただ優也の背中を見つめる事しかできなかった。
優也が窓をすり抜け自分の部屋へと戻って行く。
誰もいなくなった自室に一人佇み、旺汰は放心状態で宙を見つめた。
(優也がそんな事思ってるなんて全然気付かなかった……)
一体いつから?
どうして俺に?
次々と疑問が浮かんで来たが、その夜答えが見つかる事はなかった。
「……っつまんねぇ」
次の日、旺汰はどんよりとした顔で机に突っ伏していた。
今日は朝から一度も優也と会話をしていない。
いつもの様に一緒に学校へ行こうと誘っても、優也は一人で走って行ってしまった。
「あーもー…なんでだよぉ……」
そして放課後になった今でもそれは続いている。
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