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「好きなんだけど」
「え?」
目の前にいるのは、10数年慕い続けた俺の友人。
「だから、好きなんだけど」
「………え?」
間抜けな反応をする俺を見て、男が再度ぶ然とした表情で言った。
しかし、何度聞き返しても返って来るのは同じ言葉だけ。
壊れたレコードの様に繰り返される言葉を聞いて、同じく俺も変わらずに言葉を繰り返す。
「好きなんだよ、お前の事が」
「………………え?」
好きって…何が?
もしかして、俺が今持っている携帯の色が好きだとか、俺がいつも食べているメロンパンが好きだとか。
それとも俺が今まさに夢中になってやっている今流行りの最新のゲーム機を狙っているとか?
そんな事をぐるぐる考えていると、俺の目の前にいる友人はいきなり俺の胸ぐらをガッと掴んだ。
どこかでブチッと何かがキレる音がする。
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