問題点その1

4/33
前へ
/141ページ
次へ
俺はキッときつい眼差しで男を見つめた。 「つうか!なんでお前が俺なんかに告白しなきゃなんねぇんだよ!!」 「だから好きだからだって何回言わせるんだよ!!」 言い争う事数十分。 この春――俺、槙瀬 旺汰(まきせ おうた)はめでたく告白された。 相手は男ですが。 「優也!おい!!聞いてんのかハゲ!!」 「ハゲハゲ連呼すんな」 不機嫌そうに言ったのは旺汰の友人、哀川 優也(あいかわ ゆうや)。 数時間前、自分に好きだと言ったのは紛れもなくコイツ。 そして今二人は特に変わった様子もなく学校からの帰り道を歩いている。 優也とは家が隣同士で幼稚園から高校に入学した今までずっと一緒にいる。 お互い『優也』『まき』と呼び合う仲だが、旺汰は優也をずっと友達だと思っていた。
/141ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2342人が本棚に入れています
本棚に追加