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――なのに。
『好きなんだけど』
(優也があんな事言うなんて……)
旺汰はどうすればいいか分からずにがっくりと肩を落とした。
そしてつい先程の出来事を思い返す。
数時間前、帰りのホームルームが終わり旺汰は帰りの準備をしていた。
『優也ー、帰ろうぜー』
旺汰はいつも通り優也と一緒に帰ろうと思い声をかけた。
『悪い、プリント提出すんの忘れたから職員室行って来る』
そう言って優也は急いで教室を出て行った。
優也が忘れ物をするのは珍しい事ではない。
顔良し、運動神経良し、スタイル良しで女子からも人気がある優也だが、そういうちょっと抜けた所も愛嬌があって好かれるポイントなのだろう。
旺汰は自分の席に座ると鞄からゲームを取り出し暇を潰す事にした。
(もうすぐで全クリ出来そうなんだよな~)
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