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そんな事を考えながら旺汰がウキウキとゲームに夢中になる。
気が付くと知らぬ間に教室には誰もいなくなっていた。
放課後の教室は夕日に照らされていてどこか寂しい雰囲気を醸し出している。
だけど旺汰はその雰囲気がなんとなく好きだった。
夕日が差し込み旺汰の焦げ茶色の髪を微かに赤く染める。
しばらく教室をぼーっと眺めていると、優也が職員室から戻って来た。
急いで来たのだろう。
少しだけ息を乱して教室のドアに手をついている。
『お、優也おかえりー。遅いぞー』
唇を尖らせて優也を軽く睨む。
これは長年付き合った優也が相手だからこそ出来る事だ。
だけどそんな旺汰の仕草を見て優也は一瞬だけ息をのんだ。
『あー…、わり』
ぱっと顔を逸らすと優也はこちらに歩いて来た。
『よし、帰ろうぜ、優也』
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