問題点その1

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『………まき』 低く囁く様な声。 その音色はいつもの優也とは思えないくらい艶めいていた。 そして優也は意を決した様に旺汰を見つめたかと思うと、その形の良い唇を開いた。 『好きなんだけど』 『え?』 ぽかん、と旺汰が口を開ける。 彼の口から出てきたのは予想もしていなかった言葉。 幼い頃から付き合ってきた優也。 バカな事ばかりして慕い続けた俺の友人。 その優也が…、その優也が―― 「優也がホモだったなんてーーーーー!!!!」 回想が終わり、旺汰が叫ぶ。 その叫びが自室に響き渡った刹那、隣の家の窓がガラリと開いた。 「近所迷惑だぞデブ!!」 窓に手をついてこちらを睨み付けているのは噂の張本人の優也。 二人の部屋は窓を挟んですぐ隣にある。 そのため窓を通して会話をすることは日常茶飯事だ。
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