080120

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駅の近くの服屋。 気分的には多分C駅の近く。 別に欲しい物はなくて、制服のまま、重い鞄を持った私はただうろうろしていた。 少しだけ、漠然とイライラしながら。 商品の陳列はやけに低いところにあって、私は服にぶつかって落としてしまった。 慌ててそれを拾って戻そうとしたら、しゃがむと同時に近くにいた男の子に鞄がぶつかり、倒してしまった。 私はびっくりして唖然としてしまい口もきけないでいると、その子のお母さんに睨まれてしまった。 気づけば、周りからの視線も痛い。 私は急いで謝ってから、その店を逃げるようにして飛び出した。 走って駅の構内に入ろうというその瞬間、誰かに腕をつかまれた。 振り返ると、それは警察手帳を持った刑事風のおっさん。 「さっきのことで追われてるんだ!」と思った私はあまりに怖くなって思わずその手を振り払って逃げた。 そして、走る列車に飛び乗った。 無理矢理車内に入ると、そこには友達のSちゃんがいた。 「Sちゃん助けて!!」 刑事はまだ追いかけてきていて、今にも追いつきそうだった。 Sちゃんは、何も言わずに私をお姫様抱っこして走り出してくれた。 そして上手いこと刑事をまいてくれ、寂れているが人のいる隠れ家風のカフェに連れて行ってくれた。 私はしみじみお礼を言った。そして二人でお茶をした。 そこへなんと刑事が登場。 コーヒーを持って私達の前の席にわざわざ座った。 「いやぁ探しましたよ。」 私は自分はそんなに悪いことをしたとは思ってなかったので、あからさまに目を合わせないようにして、ホイップクリームがいっぱいのったコーヒーをすすった。
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