お見舞い

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帰り道、「ヤベ、昨日借りたNBAのビデオをヒロキに返し忘れた〰今から返しにもどるわ」とタカシが言った。特に用もなかったので僕は付き添ってやった。部屋の前につくとタカシがその場で止まった。僕は、「ん?どした?早く中入れよ」と言った、するとタカシはUターンして部屋から離れながら、「返すのは今度にする」と小さく言った。僕が文句を言おうと思ったがすぐにその理由は分かった。部屋の中には大粒の涙を流し、二年間愛用したバスケットボールを力強く抱きしめる姿があった。その時1番辛い思いをしてるのはヒロキ自身だということに気付いた。
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