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飛龍「この前も言ったが…この簪、瓦屋のお志乃ちゃんが欲しがってたんだよなぁ」
天翔は我関せずで、しきりに唸っているだけだった…
飛龍「そう言えば、お志乃ちゃん…噂で小耳にはさんだが…お前の事、結構気に入ってるらしいぞ」
天翔「ぷ~っ!」
天翔は今の発言に対し、大きく吹き出した…
もちろんこの噂は、飛龍が勝手に思い付いた出任せである。
飛龍「今から瓦屋のところに行かねえか?こうして居るより、何か新しい情報が有るかもしれねぇ。俺も付いて行ってやるからよ」
退屈しのぎに言った飛龍の言葉であったが、天翔は占いの事もあり、動いてみる気になった。
天翔「…いいでござるよ…。ただし、あくまでも情報収集が目的でございますからねっ」
ちょっとばかり、むっとした表情の天翔であったが、飛龍が持っていた簪を、さっと奪い返し、飛龍を後に歩き始めた…
飛龍「へっ!そうこなくちゃ…簪、落とすなよ」
先に歩いていた天翔を追うように、飛龍も天宮庵から出て行った…
この時、天翔が占いで使用したお札が、一人で煌めきを放つのであった…
しばらく、二人が歩いていると、後方から男女の声が聞こえて来た…
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