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利吉「さぁ、ここまでくれば大丈夫だ…、お菊ちゃん怪我はないかい?」
お菊「…えぇ、なんとか…利吉さん、ありがとう…」
利吉「長旅で疲れただろう…ちょっと待ってな、休むところを聞いてくる…」
お菊「…はぃ」
利吉は、前を歩いていた天翔と飛龍の姿を見つけ、転びそうになりながらも追い付き、声を掛けた。
利吉「す、すいません…この辺で水をいただける場所はございましょうか?」
この男は、見るからに疲れ果てていた…
見知らぬ男に声を掛けられ、二人は顔を見合わせたまま、歩いていた足が止まった。そして、見かねた天翔が優しくこう答えた。
天翔「すぐそこに、天宮庵がありますが、…よろしかったら休んで行くでござるか?」
利吉「あ、ありがとうございます…」
飛龍「どうしたんだ、お前さん!?足が血だらけじゃないか?」
利吉「あっしの事は構いません…あちらの女性を…」
利吉が指差す後方には、歩く気力もないまま、うずくまっているお菊の姿であった。
飛龍「天翔っ!女性の方へ…」
天翔は、軽い身のこなしで、お菊のもとへ行き、肩を貸してやった…
天翔「さぁ、こちらでござる」
こうして天宮庵へ連れて行った。
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