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「…アレ…ン?」
顔を上げるとそこには私が思い描いていた優しい笑顔。
「どうしてここ…に?」
息を切らせたアレンは私の前にしゃがみ込み、私の質問には答えず問いかけた。
「また…泣いているんですか?」
「!!
これは…」
とっさに顔を隠した私をアレンは優しい目で見つめていた。
止めて……
そんな目で私を見ないで……
私はネジの外れた機械のように首を横に振り続けた。
ダメ……
貴方と私は一緒にはいられない……
だって私は ノア で
アレンは エクソシスト だから―――
「泣かないで…」
「…え?」
不意にアレンは悲しそうな瞳で私を見た。
「僕は貴女を泣かせる為にここまできたんじゃありません。
僕は貴女に始めて会った時、笑顔が素敵だと思いました。
その笑顔を守ってあげたいと…
僕のものにしたいと
強く願う程に……」
「…」
アレンの言葉は深く私の心に染み渡る。
涙が止まらない。
泣きたくないのに…
笑ってあげたいのに…
アレンは私を見てるのに…
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