コンパス

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 俺は、加原広人(カハラヒロト)。  この前トイレで哲生をイジメていた中の一人だ。  皆イジメていた奴が一人ずつ、事故に巻き込まれたりして、学校に来なくなった。  その数はもう3人に達し、イジメていた奴は俺を含めた6人だったから……あと半分。  これはきっと、アイツの復讐劇が始まったんだと思う。 「哲生が死んだのって……広人たちがイジメてた所為でしょ?」 「うん……哲生、可哀想だったね……」 「あたし……恐くて何もできなかった……」  耳に聞こえる声。  俺たちを責める声が増えた。  俺だって、雄也が言い出さなきゃやってなかったのに。 「……今からでも遅くないんじゃない?」 「元々悪いのは、広人たちだもんね!」 「じゃああたしたちで哲生の復讐しよう!」  ……え?復讐……?  ちょっと待てよ、それって…… 「ひーろーとー君ッ」 「あっそびーましょッ」 「お化粧しましょーね」  女子がいきなり俺を囲んでマジックを取り出す。 「ちょ……やめろよ!」  すごい勢いで顔が黒く塗り潰されていく。  女子の笑い声が耳に響く。  ……一人が、コンパスを取り出した。 「もっと、綺麗にしなきゃね」  コンパスが俺の顔に降って来た。  
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