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暗闇で突然明るい光を目にすると、人間は目に入ってくる光線の量を調節するため、瞳孔をとっさに閉じるものである。
頭を丸く剃った囚人服を着た男が何事かと周りを見回す。
向かいにいた外国人の囚人もベッドから起き上がり、牢屋の出入り口の強化ガラスでできた窓からひょっこり顔をだした。
「おい、そこの日本人!相変わらずちっぽけななりで仏教徒みたいな頭をしてやがんな!」
くぐもった声が丸坊主の囚人の所まで聞こえてくる。
「ライトがついたってことは、看守が俺達2人のどちらかに御用があるってこった!こんな深夜に夜勤で欲求不満な看守が、お前みたいなかわい子ちゃんがいる独房にやってくるってこたあ…わかるよな?ヒャ!ヒャ!ヒャ!」
外国人の囚人はそのまま窓から離れ、ベッドに潜り込んだ。ベッドの中でまだ笑っている。
廊下を牢屋に向かって歩いてくる看守達の声が聞こえてくる。
丸坊主の囚人はベッドに座ったまま独房の出入り口を見つめた。
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