地下道を抜けて

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零野「あった。これだな。」 零野は懐から1枚のカードキーを取り出し、独房の床の板と板の間に差し込んだ。 ギュウー…ン… 壁の奥で機械が作動するような音が聞こえた。 独房のライトが2、3度チカチカと瞬く。 プシュー…ウ… 壁の表面がスライドし、中からID認証パネルの付いた大きなゲートが現れた。 零野がパネルに手をつけると、緑色の光が彼女の体を包み込んだ。 呆気にとられる魅沢に仙道ははなしかける。 仙道「先程の話の続きだが、首都圏を脱出するには隠された地下道を通るのが最善の策だとPKF達は言ったのだ。だから私はここにいる。だが私が君とここで出会ったことは偶然ではない…。」 魅沢「どういうことだ?」 仙道「既に言ったが、私は君に見覚えがある。だが、何故そうなのかは今、君に説明しても理解できないだろう…。」 …フィーン… 重く開くのが遅そうな見た目に反して、スムーズにゲートは開いた。 零野「よし。ここは閉じない方が良さそうだな。反対側からは開ける方法が無いからな。」 倉田「この囚人はどうする?始末するか?」 倉田はSMG(サブマシンガン)の引き金に手をかける。レーザーサイトは魅沢の頭をまっすぐに狙っていた。 零野「当たり前だが、それはできない。堀田!この囚人に手錠をかけろ。お前がお守り役だ。」 堀田「…ちぇっ。」 堀田は魅沢の両腕を後ろに回しカチャリと手錠をかけた。
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