第1話 記憶の始まり

4/4
前へ
/258ページ
次へ
・・・本音が見える一言を吐き出してしまうのです。 事態は終結。 事なきを得て立ち去る照人の大きな背中、それを眺めながら、直子はギュッと基弘を抱きしめます。 「お父さんはあんたと鏡どっちが大切じゃろう?」 照人に聞こえないよう、小さな声でつぶやいたのです。 その時、基弘は直子の暖かい胸に顔を埋めて泣きじゃくり、真っ赤なウサギ目。 ふと、横目で割れた鏡を見ると、鏡に何人もの悲しそうな母の表情。 父・照人は、どこにでもいる優しいおとうちゃん・・・基弘はこの日までそう思っていたのです。 本当は既にソレが始まっていた・・・ 第2話 忘れ去りたい過去に続く・・
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

46人が本棚に入れています
本棚に追加