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・・・本音が見える一言を吐き出してしまうのです。
事態は終結。
事なきを得て立ち去る照人の大きな背中、それを眺めながら、直子はギュッと基弘を抱きしめます。
「お父さんはあんたと鏡どっちが大切じゃろう?」
照人に聞こえないよう、小さな声でつぶやいたのです。
その時、基弘は直子の暖かい胸に顔を埋めて泣きじゃくり、真っ赤なウサギ目。
ふと、横目で割れた鏡を見ると、鏡に何人もの悲しそうな母の表情。
父・照人は、どこにでもいる優しいおとうちゃん・・・基弘はこの日までそう思っていたのです。
本当は既にソレが始まっていた・・・
第2話 忘れ去りたい過去に続く・・
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