プロローグ

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あの桜の花が 咲く日まで・・・ DV(ドメスティックバイオレンス)・いじめを経験しながらそうして・・・心の中は冬なのに・・傷を負った宿主は、ちゃんと大人になる事ができたのです。 しかし厳寒期に負けて越冬できない子供たち・・ そしてそれを気付こうとしないおとなたち ・・やがて若い命が次々と散り行く時代なんです その歴史は終焉を迎える事なく、未来永劫に繰り返されるでしょう 最後の決断をする前に、ひとりの人間が苦悩の末、生き抜いた真実。 必ずこの事だけは知っておいて欲しいのです・・・ お話をする前に ほぼ、事実の基づきなるべく正確に再現しています。しかし、この物語はどこにでもいる普通の中年男性の半生にもかかわらず、衝撃的な内容も含まれていますので、プライバシーなど保護の観点から、団体・個人名称等すべて仮名となっております事をお許しください。 突然ですが… はじめまして。 あなたは自分自身を見ている分身をご存知でしょうか? 太陽が暖かなぬくもりを放つ日・・・きっと、私はいつもあなたのそばによりそっています。 「お前はだれだ?」・・・ですって? 私の名前を知りたいですか? では、お教えしちゃいます。 〔私の名は影法師と言います〕 この大宇宙の天と地が分離して陰陽の対極を呈した時代(とき)より、天の陽が地にさんさんと降り注げば、影の私は必ずあなたとお供してきたのです。 そうなんです。 私はあなたがどこに行こうが、どんなに振り切ろうとしてゼイゼイと息を切らし走っても・・・いつまでも、あなたの後ろや壁際に張り付き、ずっとぬくもりの眼(まなこ)で見守っています。 お気付きになりませんでしたか? 夜だって大丈夫。 蛍光灯、ほのかな光さえあれば、私はあなたにピッタリと張りついていたのです・・・ 昨夜も、おそばにいたんですけどね。 今、思わず足元を見ましたね? ほうら、あなたの足元からニョッキリと映えた、ほんのりと映り行く私が見えるでしょう? そんな私と、この物語の主人公である宿主が42年間に渡り、肉体的・精神的虐待といじめに苦悩しながら歩んだ半生を、あなたにお伝えしようと思うんです。 このお話をしようと思った動機ですか? そりゃぁ簡単です・・・
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