46人が本棚に入れています
本棚に追加
…想像できない事実。
そして
時は流れ…
孤独な少年期を経て…
青年になった或る日の出来事。
「お前、血の繋がった子供だろ?親の面倒を見るのは当たり前じゃ!」
終戦になり戦地から帰還した父親から、一度は捨てたわが息子・照人に対する執拗な言葉を浴びせます。
父親は終戦後、極寒のシベリアの地に永きに渡り拘留、強制労働の果てに中風を患っていたのです。
ただ、病を盾にとって、あたかも他人から見れば同情を買うような言葉を吐き捨てながら、住み込み先まで追いかけて寄生。
挙句の果て・・生活の全てをむさぼり尽くされたのです。
照人はあらゆる苦労の中で、実の肉親に捨てられ身寄りのない辛い時代を、又、尋常でない親子関係までも経験。
「あなた…こんなご経験は?」
私は、思わずあなたの表情を覗き込みます。
では…
9歳の照人に会いに来てどのようなご印象でしょうか?
彼は数々の辛い時期を体験して、人の痛みは熟知しているはずなのに、のちに、わがひとり息子・基弘にDVを行います。
やがてその事がきっかけとなり、和木家をまるで持ち物のように完全管理体制をとりながら、事あるごとに命令口調で下々に伝える立ち振る舞いから、後に将軍様と密かに呼ばれるようになるのです。
では、一気に時代は流れ、1966年にダイアルを合わせ幼少期の基弘に会いに行きましょう。
第1話 記憶の始まり・・・へ続く
最初のコメントを投稿しよう!