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転校してきたのは、寮制の学校。
今日はこれといって授業をするでもなく、だらだらと時間がすぎていった。ホームルームも終わり、俺は先生に渡された手書きの地図を見る。
教室を出て、ロウカをまっすぐ
まっすぐ
左にマガる
カイ段をおりる
カイ段をおりる
右にマガる
左にマガる
庭を通る
フン水の横を通る
カイ段をおりる
カイ段をおりる
………読みづらい。
どうやら先生は読めない漢字が多々あるらしい。しかもそれを、読めない漢字を片仮名で書くのが癖なのか。とにかく読みづらい。
「あの担任…国語教師じゃなかったのかな。」
独り言を言いつつも、解りづらい地図を片手に校内をさ迷いはや数十分。
「ここ、かな……?」
レンガ造りの廊下の先に(というか、牢獄のような造り…?)
ヒッソリとたたずむ寮の入り口。
落書きが酷い…
ちょっとしたストリートアートだ。
俺はその扉を開けるべくドアノブに手をかけた。
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