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……が。
『ヒャアハハハハハッッ!!!』
「…!!?」
ドアノブに手を掛けた瞬間、待ってましたとばかりのナイスタイミングで中から奇妙な奇声が聞こえた。こっち側でも耳を塞ぎたくなる程の。
……ゴクリ。
意を決してドアノブに掛けた手を握る。
ガチャ、リ…
「…あの、」
ドアを開けた瞬間、ブワリとした空気が押し寄せてきた。(気がした)
うるさい…!
音に押し返されるかと思うくらいガンガンにかけられた音楽。入りづらい。
あまりの大音量に何故だか俺は思わず眼を瞑ってたようだった。そーっと眼を開ける。と、
「ヒャハハァハッッ!!!お前か??新入りはぁ!!」
「うっ!!」
だからうるさい!!
一発で解る奇声の張本人が目の前に立っていた。ていうか、なんだ?この人の格好。
髪の毛が半分無くて、上半身裸で、耳になんか一杯ついてて、……うわっ舌にまでピアスしてる。
そうこうしているうちにその変な人にガッシリと腕を掴まれ、中へと引き摺りこれた。
室内は暗い。
「おいおいおい!!!見ろぉお前ら!新入りちゃんだぞっ!!!」
奇声の人は俺の腕を高々上げ、ヒャハハ笑いを交えながら大声で叫んだ。
すると、今まで各々自分の事や仲間内で話していた寮生が、一瞬にして
振り向いた。
一斉に俺に集まる視線。
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