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そう言われた少年、橙堂 政人(とうどう まさと)は、背は高く、髪は茶色に染め、着ている制服は先生に目を付けられるかどうかのぎりぎりのラインで着崩していて、一見軽そうな印象を受ける。
特徴はと言えば、笑った時に無邪気で人懐っこい笑顔を見せる事だろう。
「何だお前かはないだろ、親友に向かって」
政人は親友の部分を強調しながら言った。
対する蒼夜は絶対零度よりも冷たい目を政人に向けながら
「親友になった覚えはない」
そう言ってスタスタ前を歩いて行く。
後ろから政人の嘘泣きが聞こえるが、蒼夜にとってはいつもの事なので無視する。
ふと、校庭の真ん中で学園を見渡す。
ざっと見るだけで、建物が八つぐらいあった。
二年生になり、一年間この学園で生活してきたが、まだ行った事のない場所はたくさんあった。
「でけぇなぁ~」
当然とも言える言葉が、蒼夜の口から発せられる。
確かにこの明神学園は大きく、設備も充実していた。
特に部活動の面では、どんな小さな部活でも各部毎に練習場所を与え、設備は毎回最新の物の調達してくる。
しかし、だからと言って全国に行くような部活がある訳でもなく、部活としての成績は普通であった。
この学校は一体何がしたいんだ?そんな事を考えながら、蒼夜は下駄箱へと向かった。
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