-日常・少しの違和感・意味深な視線-

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少年-神来蒼夜(かんらい くうや)-は、暗闇の中で目を覚ました。 それも、布団の温もりをまったく恋しく感じないさっぱりとした目覚めだった。 蒼夜は一度のびをし、こんな気持ちの良い朝は久しぶりだ。などと思いながら、いまだ暗い部屋に光を差し入れるため、近くにあったカーテンを勢い良く開ける。 しかし、部屋に光が差し込む事は無かった。 窓の外は暗闇に満ちている。 窓を開け四方を見回すと、少し低い所にある月と目が合う。 蒼夜は無言のまま窓を閉め、静かにカーテンを閉めると静かにため息を吐いた。 確実にさっきまでの、良い気分が萎えていくのがわかる。 そういえばまだ時計見てなかったな、そんな事を思い目覚まし時計に手を伸ばす。 只今 午前2時30分。ちなみにアラームの設定時刻は、7時 「…………何じゃこの時間はぁぁぁ!」 蒼夜の叫びが室内に鳴り響く、いや外にまで聞こえたかもしれない。 しかし、夜中に叫んでも誰も蒼夜の部屋に入り、注意しようとする者はいない。 蒼夜が一人で暮らしているからである。 簡単にいえば蒼夜は、明神学園(みょうじんがくえん)という高校の学園寮に住んでいる。 なので、蒼夜が騒ごうが注意してくれる人間は今いない。 だが、近所の寮生に迷惑がかかる。 そこまで考え蒼夜は、はっと口を閉じる。
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