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僕の住んでいるアパートから海まではものすごく近い。
めんどくさがりな僕だがさすがにこの距離は苦にならない。
今日の晩御飯は何にしようかと考えている間についてしまった。
まだ献立は決まってなかったが、まぁいいか。と思い、とりあえず煙草に火をつけ、世界の終わりを見ることにした。
部屋から見るのと海岸で見るのとは大違いだな。今度からはここで見ようか。 等と考えていると不意に横から声がした。
「夕陽を眺めているんですか?」
横を向くと制服姿の見知らぬ女の子が立っている。
「えぇ。君も眺めにきたのかい?」
「いいえ。私は夕陽がキライ。」
「なんで?」
「世界の終わりを見ているみたいじゃない。」
「ふうん。僕は夕陽は好きだけどな。」
「なんで?」
「世界の終わりを見てるみたいだからね。」
「そう、私と同じことを言うのね」
「そうだね。ただ、それについての価値観が違う」
「そうね。ただ価値観が違う人と話すのは楽しいわ。」
「ふうん。そうかい?」
「そう、とても。」
それから僕らは他愛もない会話を続けていた。
「じゃぁ私は用事があるのでこの辺りで。
また明日。」
「えぇ。また、明日。」
短い間だと思っていたがすでに夕陽は落ちていた。
結構しゃべっていたんだな。などと思いながら、僕もアパートへ帰ることにした。
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