4人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
季節はもうすぐ春を迎えようとしています。ある森にシマリスの男の子、ルイがいました。ルイはとてもお腹が空いています。
しょうがないのでお母さんに食べ物を求めると、
「ごめんね。今は何もないんだよ」
と言われてしまいました。
食いしん坊のルイはとてもショックでしたが、落ち込んでいても仕方ないと思い、森の中へ食べ物を探しに行くことにします。
まだ小さかったルイは、森を一人で歩き回るのは初めてでした。好奇心とちょっぴりの不安感を抱えながら、ルイは森の中を歩いていきます。
やがて、ルイの視線の先に一匹のシマリスが現れました。
彼の名前はジル。ジルは餓鬼大将のような性格で、ルイはいつもいじめられていました。
「よう、ルイ。何してんだ」
ジルはにやにやとした嫌らしい目付きで、ルイを睨みつけます。
ルイはその眼光に恐怖心を覚えながら、ああまたいじめられる、と思いました。
そう思いながらふとジルの手元に目をやると、そこには美味しそうなどんぐりの実がありました。空腹のルイにとっては、喉から手が出るほど欲しいものです。
ルイは勇気を出して、声を震わせながら言いました。
最初のコメントを投稿しよう!