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「見て、こんなに可愛いじゃない」
綺麗な声の人はルイを掌に納めながら言いました。
「リスくん、元気かい?」
ルイはそれに答えるように、尻尾を振り、目をぱちくりさせました。
そして、綺麗な声の人はルイを地面に離してやり、また空気を震わせます。
「元気にするんだぞ」
ルイは後々、綺麗な声の人が女の人であることを知りました。
なんとかどんぐりの実を手に入れたルイは、すぐにそれを食べようと思い、口に運ぼうとします。しかし、そこで躊躇しました。
きっとお母さんもお腹が空いているだろうなぁ。
そう思い、ルイはどんぐりを持って帰ることにします。
さっきまでお腹がペコペコで動けなかったルイですが、どんぐりを手に入れて元気を取り戻していました。取り戻した元気で森をどんどん行きます。
お家でお母さんと一緒にどんぐりを食べることを考えると、ルイはそれだけで幸せになりました。
すると突然、ルイの背後からか細く弱々しい声が降りかかります。
「お兄ちゃん、お腹空いたよう……」
ルイはその声に驚き振り返ると、そこにはルイよりも小さい、子供のシマリスが立っていました。
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