プロローグ

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「おい、ミツル。こいつか?」 このやたら体格のいいこいつは三年で空手部の・・・名前なんつったけな? 「はい、テツオさん!こいつですよ」 そうそう。テツオだ。テツオ。んで、このいかにも小悪党な顔面がアザだらけの奴は・・・今ミツルって言ってたからミツルなんだろう。学年は知らん。 まぁ、とにかくテツオの方は空手部を隠れ蓑にしたヤンキーだ。今はそれを理解してほしい。 「こいつが俺達をボコボコにしたんすよ」 俺がこの小悪党を? 身に覚えがない・・・ 「なんのこと?俺は知らないよ」 「あ、テメェしらばっくれんなよ!?名前名乗ってたし・・・」 と言い小悪党は写真を出す。 俺だ・・・俺が映っている! 「キモッ。何、俺の写真持ってんだよ!?」 「違う!携帯で撮ったのをプリントしたんだよ!」 「何が違う?キモイ事には変わらんだろうが!」 「ちっがーう!お前にやられたダチが撮ったんだよ!」 なに!?他にも犠牲者が?まったくこれっぽっちも身に覚えがない。 「この際、テメェがやったかやらないかは関係ねぇ・・・」 ここまで黙っていたテツオが動き出す。 「俺はムシャクシャしてんだ。サンドバックにでもなってもらおうか?口の聞き方も教えてやる・・・」 しまった!俺の周りにはまともな大人がいねぇから敬語なんて概念は存在してなかった・・・ ボキボキ と指を鳴らすテツオ。今時こんな事する奴いたんだ・・・ さて、どうしよっかな?
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