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「なんでこんなとこにコボルトなんだ?」
ロビンは丘から駆け降り、仕留めたコボルトを見つめながら言った。
「最近の魔物の動向はほんとつかめねーな。」
「ありがとう。助かったよ。」
ブレイドはロビンに駆け寄った。
「どういたしまして。」
ロビンは丁寧にお辞儀をしながらも片方の手をブレイドに差し出していた。
「何?」
「命を守るのもー、ただではないかと思ってな。」
ロビンはきらきらと目を輝かす。ブレイドはその表情を見るなり大きなため息をついた。
「………わかったよ。」
「ほんと!?」
「三ヶ月前の貸し、ちゃらにしてあげるよ。」
「え?それはそれ、これはこれでは………」
「何か文句でも?」
ブレイドの目がぎらりと光る。
「いや、まあ、な。ありがとう……ございます。ブレイドさん。」
「わかればいい」
んにゃあ、とイシュールが、偉そうに鳴いた。ブレイドは吹き出し、ロビンはやれやれと肩をすくめた。
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