序章

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少年は目覚めた。 目覚めの朝はいつも瞳に涙の跡が残っている。あれからもう三年。いまだに記憶は戻って来ない。 夢の中ではとても大切な誰かにあっているような気がする。温かい優しさと同時に、それは引き裂くような痛みを伴う。 痛みは少年を苛み、少年の瞳から苦しみとも喜びともつかぬ涙を流させるのだ。 少年はどこから来て、どこへ行くのか。そして、少年の心は何を求め、その体は何をしようというのか。 それは少年にすらわからないことであった。
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