序章
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「しかし、随分遠くまで来たもんだな。」 おそらく屋敷を飛び出して逃げ回っているうちに帰り道がわからなくなったのだろう。 よく見ると足元がふらついている。 ブレイドはゆっくりと猫の後ろに回り、一気に間合いを詰め体を抱える。 「よーし、いい子だ。」 イシュールは驚いて逃げようとするが、屋敷を飛び出して以来、何も食べていないのだろう。すぐにあきらめて、一声にゃあと鳴いた。
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