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コボルトとは犬の顔をした闇の住人である。知能は低く、身体能力は人間と大差はないが、残虐性に富み、生肉、特に猫の肉が好物であった。
とはいえ光を嫌うコボルトがこんな昼間に、人前に姿を現す等、今まででは考えられないことだった。
「まずいな。」
コボルトの手には木製の槍が握られている。だが、ブレイドの手元には護身用のナイフが一本しかない。
今更ながら魔物を殺傷可能な武器を扱えない自分自身を呪った。
イシュールがブレイドの足元で怯えながら、毛を逆立てている。
「そデヲ、よコセばお前はタスケてヤド。」
コボルトは手を差し出す。
ブレイドはナイフの柄に手をかけた。
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