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コボルトが一歩歩み寄ると、ブレイドは顔めがけてナイフを放った。それと同時にイシュールを抱え、町の方向へ逃げ出す。
ナイフはコボルトの額をかすめたが、致命傷には程遠かった。
「いデェ」
コボルトは額を抱え顔を歪めた。その隙にブレイドは出来るだけ遠くに逃げなければならなかった。
しかし、コボルトは怒りに燃えて、手に持った槍を力の限り投げ付けると、ブレイドの足を絡めとる。ブレイドは勢いよくつんのめってしまった。
腕の中のイシュールがにゃあと心配そうに鳴く。
コボルトは昼間の日の光の下とは思えない速度で駆け寄ってくる。口からはよだれがとめどなく流れている。
ブレイドはもはやなす術もなくなっていた。
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