複数の敵

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「確か、舞台のそでだったな…」 アキラは4、5段の階段をのぼった。 カブシは、120センチくらいある高さをものともせず、ヒョイとジャンプした。 アキラは舞台の電気をつけようとしたが、こちらも点かなかった。 「…っかしいなぁ。なんで点かないんだ?」 アキラは、スイッチを連打した。しかし、点かない。 「おいアキラ、電気の配線切れてっぞ」 確かに、つながっているはずのコードが、途中で切れていた。 「あら~…点かないわけだな。」 アキラは、頭をかいた。 「……ゴキブリだ…」 カブシがボソッと言った。 「え?いた?」 「違う…コード切ったのゴキブリだよ…」 「そんなバカな…」 「……今回のゴキブリ達、そうとう強いぜ…そして賢い。リーダーでもいるのか……?」 カブシは、まるで自分に言い聞かせるようにしゃべっていた。 「へぇ…でもさぁ、パイプ椅子につぶされて死ぬくらいだろ?マヌケだなぁ…」 アキラは、鼻の穴を広げて、アホ顔をし、息を『はっ』とはいた。 しかしカブシは、アキラの顔を見て、また切れたコードを見た。 「……違う…さっき死んでいたのは、『普通の』ゴキブリだ………まさか‼」 カブシが急に立ち上がり、後ろを振り向いた!その瞬間!体育館の電気が一斉に消えた! なんだなんだと声が体育館に響く…… 「見えたぜゴキブリども‼やっぱおめぇらか…」 「カブシ…何が見えた?暗くて何にも見えないよ…」 「アキラ、最初にゴキブリはここに二匹いるって言ったよな…… 二匹とも体育館の入り口から離れたところだ…… そしてここは光の入らない地下… つまり、オレ達を入り口から遠ざけ、暗闇で攻撃する作戦だったんだ‼」 カブシは、自分のおろかさに怒っていた。 「でもカブシ、ゴキブリ二匹とも、体育館の電気スイッチから離れてる舞台近くにいたんだろ?どうやって消すのさ…」 「……はめられたのさ…あいつら、生命体エネルギーを消せるようだ…最初から二匹じゃなく、三匹いたんだ‼」
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