暗闇バトル

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ブーンという音が聞こえてきた。 ゴキブリ達の羽音である。 「ちっ…おとなしく帰ってはくれないな…」 「暗くて見えないな……どうするの?」 「人が多すぎる…。 今、体育館にいるやつらぁ‼非常口のランプを目印に、さっさとここから逃げ出せ‼」 カブシは、大声を出した。 「カブシ…」 名前を呼んだだけで、カブシはアキラの言いたいことがわかったらしい。 「アキラ…お前は、被害受けないように、舞台から降りるなよ」 人々は、体育館から出て行った。 シーンとした体育館に、ブーンという羽音だけが響く。 「…どうやら、あいつらの目的は、無差別ではなく、オレのようだ…」 カブシは、ついに舞台からとび降りた。 ドン💥 カブシが着地した。 ブーン……カサッ💥 ゴキブリ達も床におりたらしい。 「…そうか、地面にいることで、生命体エネルギーを抑えてるのか……まいったな…」 「…カブシ、やっぱ逃げよう!暗くて見えないのに、戦えないよ!」 カサカサカサ…… まるで、ゴキブリ達が笑っているようだ… 「オレは生命体エネルギーを抑えられないからな……オレの居場所がわかるのか…」 「逃げようカブシ‼殺される…」 「誰が逃げるか…オレはこの一年間、さらに修行して強くなったのさ。 そう、夜中でも戦えるように…‼」 フフッ…カブシが笑った。 「いくぜ‼アキラ‼目ぇ閉じてろぉ‼」 アキラは、この言葉の意味がわからず、目を閉じなかった。 「はぁぁ‼ライトニング=フラッシュ‼‼」 カブシは、拳で床を思いっきり殴った‼ ドン💥ピカァァ✨ 「うわ‼」 目を開けていたアキラの目は、強烈な光によって、一時的に視力を失った! 瞬間的に目を閉じたが、目の奥に焼き付いてしまった。 ようやくアキラの視力がもどると、アキラは、体育館内に奇跡を見た! 電気が点かなかったはずの体育館内が明るくなっている!! 体育館の中心にカブシが立っていたが、カブシの前に、とてつもなく強い光が光っていた‼ 「なななんだ⁉」 まるで強烈なランプである。 後ろに、カブシの影が大きく映っていた。 「…さぁ、始めようか、ゴキブリ諸君」
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