ワカバタウン

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ワカバタウンを出ると辺りは見渡すかぎりのくさむらが広がっていた。                一応街道は敷いてあるものの…。                     しばらく歩いていると、オタチがあらわれた!                      「よし、せっかくオーキド博士にもらったんだ。使ってみるか!」                  「いけ!ヒコザル!」              スモークと共にボールからヒコザルが飛び出てきた。            よし、使える技は…と。 図鑑を開くんだったな。             ひのこ ひっかく なきごえ…ね。                    ま、まだまだこんなモンか。             「とりあえず、ひっかくだ!」                      ザシュッ                    オタチは苦しそうな表情をしたがすぐに立ち直り、長い尾をヒコザルの首に巻き付けてきた。                  「チッ、ひるむな!ひのこで振り払え!」                 しかし、しめつけられた状況では満足に炎をだせず、状況は変わらない。               いったんヒコザルをボールに戻そうとしたその瞬間!            ヒコザルの尻の炎が猛った。                       それに驚いたオタチは思わずヒコザルを放す。               「チャンスだ!今こそひのこだ!」                    それに反応したヒコザルの体のまわりで炎が渦を巻き始めた。                    …なんだ?アレは。               ヒコザルは火炎を纏ったままオタチにとっしんした!                    オタチはやけどを負いながら吹き飛び、数メートル先のくさむらに落ちた。              よし、今だ! 俺はすかさずボールを投げた。                      当然抵抗する力など残っておらず、オタチはボールに納まった。                   「よーし、よくやったぞヒコザル。さっきのはかえんぐるまだな? 追い詰められた状況で真の力を出したってわけか。」
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