孤独

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その日の夕食のとき、父さんと母さんに図鑑のことを話した。 すると黙って聞いていた父さんが 「父さんは反対しない。お前ももう16だろう。せっかくオーキド博士に認めてもらったんだ。やってみてもいいんじゃないか?」 チッ、いっそ反対してくれればよかったのに… オレは仕方がないので正直にこう言った。 「オレは行きたくない。今の生活も楽しいし、こう見えてもこの町が好きなんだ。調査ならでかけていってやるだけでもいいだろ?わざわざ旅に出るなんてゴメンだね。」 それだけ言い残してオレは自分の部屋に閉じこもり、鍵をかけた。 いいんだ。明日オーキド博士にもちゃんと言おう。 オレは図鑑にもリーグチャンピオンにも興味ない。 オレはただこの田舎町でのんびり過ごせればそれでいいんだ。 そんなことを考えながら眠りについた。 これがこの町での最後の眠りになるなんてオレはそのとき夢にも思わなかった。
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