真とフレン 守とハーツ

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 真は書庫にいた。 ずらりと並べられた本を彼は見つめていた。 その中で唯一長く続いた列がある小さな小説本は本棚でも目だっている。 彼は人差し指を本の頭にのせた。 第一話、Mがハーツを捨てるか迷っているシーンから物語は始まる。 冬の寒い夜、ハーツは孤児院に捨てられた。それから10年後に飛んで・・・ 彼は優しい仲間に囲まれて楽しい毎日を過ごしていた。 そんな楽しい生活を送っていたある日、キア町から離れた草原で魔法の練習をフレンとしていたハーツそんな二人にいきなり光の矢が飛んできた。 この練習のシーンでフレンの魔法の下手さとハーツの天才的な魔法の実力が分かった。 真は指を二話に本をなぞるように動かした。 第二話では、フードで顔が見えない男から何が何だか分からないまま死に物狂いで逃げて、キア町にたどり着いて泣きながら孤児院に帰ってきたのだ。 何日か経って又現れた男は自分の命を狙っているんだと分かる。 それから、唯一の母との繋がりの赤い石のネックレスを狙っていると知る。 ハーツの魔法もフレンの剣も全く役に立たなかった。
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