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実質的には山、と分類されるであろう、高すぎる丘の上に、ディアシェール学院は在る。
広大なリベラヴェールという世界に旗を上げる国々の中でも飛び抜けて広い領土を持ち、圧倒的優位にあるカナン王国の最大の魔法学院であり、同時に最高の魔法学院でもあるディアシェール学院。
エリートを夢見る学生なら、一度は憧れる学院だ。
そんな最大最高の学院内には大きく分けると三つの科があり、校舎ごとに分けられている。
一つ目の科は、『魔術科』。
これは魔術師や魔導師を目指す者が選ぶ、魔法専門の科だ。
質の高い魔法を学び、魔法以外の事は、補足程度しか学ばない。
二つ目は、『剣術科』。
魔法剣士や騎士を目指す者が選ぶ、剣術を中心に学ぶ科だ。
もちろん魔法も学ぶが、高度な魔法は教えてもらえない。
一応は剣術、となっているが、槍や弓なども入っている。
三つ目は、『体術科』。
魔法の力をかりて自らの身体で戦い、仲間をサポートする踊り子や格闘家を目指す者が入る科だ。
地味に思われがちだが、鍛錬を怠らなければ、どの科よりも高い攻撃力を得ることを誇る。
これらの科の中で更にジョブ分けされ、生徒たちは自身の道を進んでいく。
問題の彼は、そんな学院の魔術科にいる、少し気の弱い少年だった。
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