無名作家のおとぎばなし

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「来たな」 長い金髪の青いエプロンドレスの女が、バギーに乗ってグレネードを構えながらヘンゼルの100メートルくらい先で止まった。 「《夜中に寝言を言う羊》、こちらヘンゼル、アリスを確認。トリモチ銃使用許可を出してくれ」 『《星を獲得した兎》、まだ付近住民の確認が不完全だ。もう少し待ってほしい』 「なんだと!?無理だ!あっちはグレネードもってんのにこっちはライフル使えねえんだぞ!」 『健闘を祈る』 「祈んな!」 ドォン! アリスの放ったグレネードの大きな弾が、なだらかな放物線を描いてヘンゼルに迫ってきた。 「撃ってきた!確認は?」 『まだだ』 「死ねよ!」 『おまえが死にそうだ』 「わかってんじゃねぇか!」 左に跳んだヘンゼルのさっきまでいた場所で、大爆発が起こった。
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