10月31日③

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「それナンボだった?」 「あ、関西弁!嫌ってたんじゃないの?」 「・・・。」 霞は食い付いたが、テツはいつになく静かだ。 「嫌ってないガナ。全然普通に喋れますデンネン。」 「ねえ、テッちゃん。靖彦が壊れた・・・。」 なにぃ、どこがおかしかったんだ!? 「・・・ヤス・・・。やめとき。見苦しいわ。」 「・・・・・・何を言ってやがりますヤネン。」 「・・・。」 「・・・。」 視線が痛い。 俺の関西弁でモテ化計画は儚くも散ったのだった。 そんなくだらない会話を肴にコーヒーを飲み、11時を回った頃に店を出た。 「今年も神社でタダ酒か。俺ら貧乏臭いなー。」 「貧乏なんだからしょうがない。」 「貧乏は靖彦だけじゃん。テッちゃんも私もバイトしてるもん。」 「うるせー。心は金持ちだからいいんだよ。」 歩きながら言い合う。 3人揃うといつもこんな感じ。 いつの間にか、この時間が一番落ち着くようになってしまった。 「はい、コレ。誕生日の前祝いな。」 テツがリュックからワンカップを3つ出す。 ちょっとした銘柄だ。 いささか親父臭いのは否めないが、銘酒に釣られた。 「「「乾杯!」」」
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