0人が本棚に入れています
本棚に追加
「それナンボだった?」
「あ、関西弁!嫌ってたんじゃないの?」
「・・・。」
霞は食い付いたが、テツはいつになく静かだ。
「嫌ってないガナ。全然普通に喋れますデンネン。」
「ねえ、テッちゃん。靖彦が壊れた・・・。」
なにぃ、どこがおかしかったんだ!?
「・・・ヤス・・・。やめとき。見苦しいわ。」
「・・・・・・何を言ってやがりますヤネン。」
「・・・。」
「・・・。」
視線が痛い。
俺の関西弁でモテ化計画は儚くも散ったのだった。
そんなくだらない会話を肴にコーヒーを飲み、11時を回った頃に店を出た。
「今年も神社でタダ酒か。俺ら貧乏臭いなー。」
「貧乏なんだからしょうがない。」
「貧乏は靖彦だけじゃん。テッちゃんも私もバイトしてるもん。」
「うるせー。心は金持ちだからいいんだよ。」
歩きながら言い合う。
3人揃うといつもこんな感じ。
いつの間にか、この時間が一番落ち着くようになってしまった。
「はい、コレ。誕生日の前祝いな。」
テツがリュックからワンカップを3つ出す。
ちょっとした銘柄だ。
いささか親父臭いのは否めないが、銘酒に釣られた。
「「「乾杯!」」」
最初のコメントを投稿しよう!