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「ワンカップって初めて飲んだんだけど・・・こんなに美味しかったんだ。」
おーい、霞がオヤジになっちまうよ・・・。
「これは別格っちゅーやつや。そこらでは飲めんで。」
「そーそー。頼むから自販でワンカップを買う女子大生にはならないでくれ。」
「ははは。でもちょっと可愛いっぽいやんけ。そんな霞ちゃん、いっぺん見てみたいわ。」
「・・・馬鹿達に馬鹿にされた。」
「はは。誉めてんねん。」
「虎竜と言え。」
・・・あ。
「虎竜って?」
「何やそれ?」
呆れられるから、説明はしないでおこう。
必死で誤魔化した。
必至ではなく、必死。
必ズ死ヌ。
つまり、誤魔化しきれなかった。
誠に遺憾ながら、あだ名に『虎竜』が追加された。
神社に着くと軽く人だかり。
どこにも変な奴はいるようで、半袖半ズボンで踊っている奴もいた。
当然、放置。
お目当ての鏡割りまで一直線。
「やっぱ混んでんな。まあ、毎年のことやけど。」
リュックから一升瓶を出しながらテツが言う。
・・・。
一升瓶?
「お前、何?それ。」
あまりの衝撃に片言っぽくなってしまった。
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