10月31日③

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「ワンカップって初めて飲んだんだけど・・・こんなに美味しかったんだ。」 おーい、霞がオヤジになっちまうよ・・・。 「これは別格っちゅーやつや。そこらでは飲めんで。」 「そーそー。頼むから自販でワンカップを買う女子大生にはならないでくれ。」 「ははは。でもちょっと可愛いっぽいやんけ。そんな霞ちゃん、いっぺん見てみたいわ。」 「・・・馬鹿達に馬鹿にされた。」 「はは。誉めてんねん。」 「虎竜と言え。」 ・・・あ。 「虎竜って?」 「何やそれ?」 呆れられるから、説明はしないでおこう。 必死で誤魔化した。 必至ではなく、必死。 必ズ死ヌ。 つまり、誤魔化しきれなかった。 誠に遺憾ながら、あだ名に『虎竜』が追加された。 神社に着くと軽く人だかり。 どこにも変な奴はいるようで、半袖半ズボンで踊っている奴もいた。 当然、放置。 お目当ての鏡割りまで一直線。 「やっぱ混んでんな。まあ、毎年のことやけど。」 リュックから一升瓶を出しながらテツが言う。 ・・・。 一升瓶? 「お前、何?それ。」 あまりの衝撃に片言っぽくなってしまった。
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