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「虎竜、一升瓶。これ。」
・・・。
一々腹の立つ奴だ。
「じゃなくて、テッちゃん。何で空の一升瓶なんか持ってるの?」
「ん?毎年、酒足らへんくなるやろ?予防措置や。」
「・・・入れて貰えると思うか?」
「まあ任しとき。」
妙に自信満々だ。
放っておこう。
「そろそろやな。」
時計を見ると、3分前。
今年も平和だった。
1分前。
常にこいつらといた気がする。
30秒前。
・・・俺は他人を信じる事ができない。
20秒前。
でも、こいつらだけは、信じている。
信じたい。
10秒前。
来年もこいつらと・・・
5秒前。
一緒に・・・
3秒前。
生きよう。
1秒前。
「誕生日おめでと、靖彦。」
「おめでとさん、ヤス。」
「ありがとう。あけましておめでとう。今年も・・・よろしく頼むな。」
「「こちらこそ。」」
その時、轟音と共に西の空が一瞬光り・・・。
大気が揺れた気がした。
どっかの馬鹿が花火でも上げたんだろう。
そう思っていた。
だが、その時既に
西の隣国は滅び・・・
日本も滅亡に向かっていたのだ。
2015年1月1日は忘れられない誕生日になる。
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