10月31日③

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「虎竜、一升瓶。これ。」 ・・・。 一々腹の立つ奴だ。 「じゃなくて、テッちゃん。何で空の一升瓶なんか持ってるの?」 「ん?毎年、酒足らへんくなるやろ?予防措置や。」 「・・・入れて貰えると思うか?」 「まあ任しとき。」 妙に自信満々だ。 放っておこう。 「そろそろやな。」 時計を見ると、3分前。 今年も平和だった。 1分前。 常にこいつらといた気がする。 30秒前。 ・・・俺は他人を信じる事ができない。 20秒前。 でも、こいつらだけは、信じている。 信じたい。 10秒前。 来年もこいつらと・・・ 5秒前。 一緒に・・・ 3秒前。 生きよう。 1秒前。 「誕生日おめでと、靖彦。」 「おめでとさん、ヤス。」 「ありがとう。あけましておめでとう。今年も・・・よろしく頼むな。」 「「こちらこそ。」」 その時、轟音と共に西の空が一瞬光り・・・。 大気が揺れた気がした。 どっかの馬鹿が花火でも上げたんだろう。 そう思っていた。 だが、その時既に 西の隣国は滅び・・・ 日本も滅亡に向かっていたのだ。 2015年1月1日は忘れられない誕生日になる。
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