12月31日①

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今日もいい天気。 一年の締めくくりとしては申し分ない。 相変わらずやることは無いけれど。 学校も冬休みに入ったし、霞は部活、テツはバイト。 そういう俺は、時間を持て余す、非生産的な平均的大学生。 趣味はバッセン。 あ、バッティングセンターね。 今年こそは、甲子園に行ってやるぜー!と、燃える20歳。 『ヤッちゃん、東を甲子園に連れてって!』 可愛いあの子が声援を贈る。 『ヤッちゃんはやめろよ、ヤ○ザの兄ちゃんみたいだろ?』 『わかりましたー、ご主人様♪』 こんなメイド属性の、妄想大好き20歳。 こんなくだらない自己紹介を脳内でしてしまうほど、この山城靖彦は参っていた。 そうだ。 俺は確かに参っている。 アミーゴ達は、元旦が誕生日の俺を何故ここまで放っておけるんだ。 友達の少ない俺に、誰か愛の手を・・・。 しかしなにもおこらなかった とても切ない。 悔しいので花屋に行くことにした。
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