1月1日 1.5

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緊急事態の時、人はどうするか。 ―あがく、考える、諦める。 そんなとこだろう。 じゃあ、異常事態の時は? 人はただ傍観することしかできない。 例えば、さっきまでの俺がそんな感じ。 呑気にテレビなんか見てやんの。 アナウンサーの声は右から左。 理解してない。 ただ、息をするだけ。 二酸化炭素製造機。 無意識に察したんだと思う。 考えたってどうしようもない、理不尽な事が起きたんだって。 だって半島が丸ごと無くなることなんて、人類の歴史の中であったか? 2つの国家が瞬時に消えたんだぜ? マジシャンの一大イリュージョンかっつーの。 現実逃避とはよく言ったもんで、そりゃ逃避したくもなるわな。 こんな現実。 見たくなかった。 残念なことに、俺を現実に戻したのは相方の声だ。 「さーて、そろそろ考えよか。」 「・・・・・・。」 「・・・そうだな。考えることが多すぎて、何を考えるかをまず考えないといけないけど。」 「ややこい言い方すんなぁ。まあ、とりあえず今日何するかやろ。」 「そうだな。それもある程度限られてくるけどな。」 「せやな。まずは・・・。」 そう言ってテツは霞を見た。
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