0人が本棚に入れています
本棚に追加
首相はそれ以上何も答えなかった。
「・・・嘘ついたね。」
「あぁ。何処までが嘘かはわからないけどな。」
霞がコーヒーを持って戻って来た。
砂糖とクリープをたっぷり入れてすする。
甘い。
甘さが頭に染み渡る感じが、疲れを取り去ってくれるのを祈る。
・・・整理しよう。
たぶん、海底の圧力がどうこうってのはデマだ。
日本近海の海底に大量の放射能が検出されたなど聞いたことがない。
兵器か発電所関係か・・・実際はそのようなところだろうが、半島を消し去る程の威力があるかは疑問だ。
米国の情報はどっちか判断できないな。
首相自らがアメリカに行って支援要請するのは尋常な判断じゃない。
国の一大事に国の長がいないなどありえない。
単なる話し合いなら、いざとなればホワイトハウスに電話を繋げば済む話だ。
「駄目だー。わかんない。」
「しょうがないよ。まだ情報が無さすぎるんだもん。もう少し後で考えよ?」
「・・・そうだな。テツが来るまで寝とくか。」
「うん。あまり寝てないからね。」
そう言って、霞は布団に潜り込む。
嫌な予感がしていた。
今、行動を起こさないと、手遅れになる予感が・・・。
最初のコメントを投稿しよう!