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『しまった‼』
心の中で思った時にはもう手遅れだった。ふと見ると母は、まだ勝ち取った最優秀賞に酔いしれている。
自分勝手な父と鈍感な母。
父の画用紙が隙間なく真っ黒になって、私の心の中も真っ黒になった時…父がその画用紙を指差して一言言った
「闇夜のからす」
父、一発大逆転である。私は、『なるほど~』といたく父を尊敬し偉大に感じたものだ。
でもそれは例のとんちの一休さんが将軍様に使った手と同じという事を私が知ったのは、それから何年も先の事であった。少し淋しい気がしたのは言うまでもない。
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