貧乏神と死神

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場所は何処かであるようで何処でもない部屋。 「俺さぁ、思ったんだよ」 貧乏神が切り出した。人間の「運」を吸い取り続けた体は丸々としていた。人間の前に出るときのヨボヨボの老人の姿は仕事用らしい。 「なにを?」 死神が尋ねる。鎌も黒いローブも今はタンスの中だ。代わりに雑誌を手にペラペラ捲っている。中身が気になるが…… 「俺たちってさぁ……神さまなわけじゃん?」 死神が手を止めて貧乏神と目を合わす。 「まあな」
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