貧乏神と死神

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「一応っていうか……神さまなわけだよ。じゃあなんで『貧乏神が出た~!』なんて言われるわけ?」 貧乏神が手に持ったソフトドリンクを飲む。なに味かは見た目ではわからない。 「そりゃだって、人間にとってマイナスな要素だからな」 「でもさ、『神』だぜ?神。ケー・エー・エム・アイ」 「ローマ字にしたら『紙』といっしょだな」 死神は鼻で笑って雑誌に戻る。グラビアとか載ってんのかな…… 「じゃあGODか?ゴッドでもガッドでも好きに呼べよ」 急に死神が顔を上げて貧乏神を見る。 「……それはちょっと違うな。『ゴッド』はキリスト教のだろ。キリスト教は唯一神なわけだから、日本で言うところの神とは若干定義が違うわけだ。たまたま『似たような存在』としてそれが訳になったわけで……」 「分かった分かった。分かったけどでもお前も日本の神じゃないぞ?」 「マジ?」
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