「弟の産まれた日」

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「生」まれてくる初めての「命」は、私にとっては妹だったが、小さすぎるからあんまり覚えていない。 冬の寒い夕方に病院の入口に立ってた記憶だけだ。 ††† 弟は夏休みに妊娠したと母から伝えられた。 途中で不正出血なんかして、私は無事に生まれてくる様に祈ったのはここだけの話しだ。 春、温かい日に弟はかなり出産予定日を過ぎて「生」まれた。 ††† 「あんまり可愛くないな~」ってのが正直な感想。 生まれたての赤ちゃんはあんまり可愛くない。 猿っぽい。 けど一緒に来てくれた親友は「可愛いね~」と言ってくれた。 ††† 現在は可愛くない大学生になった弟。 けど何だか歳を取ると距離感は縮む事に気がついた。 彼は頑固に、我が儘に、マイペースに「生」きている。 私の自慢の可愛い弟だ。 ††† 名前なんかは家族会議に近い形で決めた。 「本人が書きやすい字画の少ない簡単な名前」。 これは母のポリシーだ。 子供のノートや道具に名前を書いていて思ったらしい。 いかにも几帳面な母らしい選び方だなぁとは思う。 それを父が画数を調べて決めた。 私は子供が出来たらどんな名前を着けるのかなぁ? †††
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