Part 1 ディーリープラザで何が起こったのかー事件発生

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事件の特異性は、暗殺が衆人環視の中で行われたことに加え、その前後の状況をとらえた映像が多く残されたところにある。特にザプルーダー・フィルムにあらわれたジャクリーン夫人とシークレットサービスの行動は劇的であり見る者に衝撃を与える。大頭領の頭部に致命弾が的中した直後、夫人は座席から車の後部へとはい出そうとする。そこに後続の車から走り寄って来た男が大頭領の車に飛びつき、乗り込んで夫人を保護しようとする。既に述べたように男はシークレットサービスの夫人の護衛担当クリント・ヒル。夫人は飛び散った大頭領の脳を集めようとしたといわれる。後にジャクリーン夫人はインタビューに答えて、病院へと向かう車中で大頭領の頭部から脳が流れ出ないように傷口を手でふさいでいた、と言っている。また「大頭領は死んだ」という声が聞こえたが、病院に着くまで「ジャック、ジャック(大頭領の愛称)聞こえる?」と叫び続けたという。 オズワルドが容疑者として逮捕され、その経歴を知らされたときに語った「夫は公民権の闘いのために暗殺されたとしても無念だったでしょう。まして愚かなコミュニストの手にかかるとは…」という言葉が今に残っている。image=123545181.jpg
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