Part 1 ディーリープラザで何が起こったのかー事件発生

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ザプルーダー・フィルムのフレーム375。身を乗り出すジャクリーン夫人と車に飛びついたクリント・ヒル。 fair use として使用 リー・ハーベイ・オズワルドは事件の謎の中心にいる。いわゆる「一匹狼」か陰謀の犠牲者なのか。あるいは自ら陰謀グループの一員だったのか。その経歴、言動は振幅が大きくとらえがたい。 日本の基地に勤務した海兵隊員であり、1950年代末から60年にかけてはソ連に疑似亡命をしている。米国に舞い戻ってからは親カストロの政治運動を行い、同時に右派のウォーカー将軍の暗殺も企てている。大頭領暗殺に使用したといわれるライフルを手にして自宅裏庭で撮影された「バックヤード・フォト」は本物か。暗殺事件のほぼ2カ月前にメキシコシティのキューバ、ソ連大使館を訪れた真の目的は。オズワルド殺害犯のジャック・ルビーとは以前から面識があったのか。これらの点についてさまざまな仮説が出され。しかも正解は見つかっていない。 オズワルド自身は法廷で自らの主張を語ることなく世を去ってしまった。後に残されたのは「身代わり、いけにえ」を意味する「patsy」という言葉である。これもまた、思想ゆえに権力から迫害を受ける政治犯の言葉、すなわち暗殺を行った確信犯の言とも取れるし、でっち上げに対する抗議の言葉とも取れるのである。image=123545270.jpg
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